甥っ子の車が水没し、廃車になった。
しかもローンが2年残っており、自損保険に入っていなかった。
車好きが社会人になって初めて自分の車を持ち隅々まで弄りめでた愛車の為に。無くなったいまでも支払い続けている事に僕ですら胸がえぐられる思いなのだから、本人の気の重さは計り知れない。
叔父さんが大金持ちだったら払ってあげるのにと救いにもならない言葉に苦笑いをした。
さらに甥っ子は最近できたおそらく初めて彼女と同棲するためアパートに移ったばかりだった、大雨が降るその日にだ。
今年の8月に熊本上空にできた雨雲のラインがピンポイントにアパートのある地区を狙い朝起きた時には、プールになった駐車場に車が浸かりハザードと緊急のアラームを発しながら助けを求めていたそうだ。ハザードのライトが水に反射し、温泉につかって顔を赤らめているようにみえたが、茶化せない。
引越しの前日に取り付けてもらったエアコンの室外機も羽根が異音をだしたので、1人で持ち上げ、買ったばかりの机を嵩上げに使ったそうだ。
親戚の女童達にズーちゃん女のとこ行くからそんな目にあうんだよー
後1日遅く行ってたらよかったのにー
とか言われていたが、男にとってはそういう事ではないのだ。
過去1番の幸福と絶望がカフェラテみたいに1日に混ぜ詰めこまれた甥っ子。
母が心配で駆けつけた時には目が普段より離れてたと、笑って言っていたけど、
どんな表情だろうと想像した




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