最近、『アンダンの騒乱』というボリス・ヴィアンの小説を読んでいるんだけど、
ボリス・ヴィアンさんはセミプロのジャズ・トランペット奏者でもある。
途中から「え、これこのまま突き進むのか」って、妙な展開ばかり。
登場人物たちが追いかけてるのは「バルバラン」なる謎の存在、バルバランて何?、偽物を掴ませられたりしてるから物みたいではある。
よくわからないけど、何かを追いかけてる、それだけはわかる。後半種明かしがあるのかもしれないが今のとこ何か。
とにかくボリス・ヴィアンさんはルール無視で突進!自由!唐突に展開するかと思えば脱線したり、「これでいいんだ、自由でいいんだ」と
考えれば考えるほど縮こまる僕に
言われているようなとても眩しい存在で最近一番好きな作家。
そこから頭の中にスタンリー・キューブリックの『時計じかけのオレンジ』で使われていた若者ことば「ナッドサット」が浮かんできて、
例えば
Bolshy(ボルシャイ)|Big(でかい)
Devotchka(デボチカ)|Girl(女の子)
Govoreet(グブリ)|To speak(話す)
In-out-in-out(インアウト・インアウト)|Sex(セックス)
Oddy-knocky(オッディ・ノッキー)|Lonesome(一人ぼっち)
Chai(チャイ)|Tea(紅茶) 紅茶はチャイなんかい!w
こんな造語で説明のない怪しい世界観が10代の自分をワクワクさせた。
むしろ「わからなさ」を楽しませてくれる、現実世界では「わからないこと」はだいたいググれば一発で解決する、
でも、そうじゃない世界があると、なんかホッとするというか。
押し付けないよ、答えはあなたが考えていいんだよと大きなものを与えらる気がして、
それが心地いいんだよね。
そんなとき、YouTubeで無敵のレオさんを見てたら、アルゼンチンのウシュアイアという都市で今は失われてしまった言葉、ヤーガン語の言葉を紹介してて、
それが「マミラピナタパイ」
これが面白くて、意味はというと、「お互いに何かをしたいと思っているのに、どちらも相手が先に動くのを待っている状態」だそう。
状況が1つの単語になっている。漫画の「シーーーン」みたいな?
今、自分が生きてる言語って「既にあるもの」でしか構成されてるけど、
別に新しく作っちゃいけないルールなんてないんだなって、「マミラピナタパイ」だって、
誰かが必要だったから生まれた言葉なわけで、だったら「バルバラン」みたいに意味があるようでない、
でも何かを感じる——そういう言葉や存在を、自分でも勝手に作っていいんじゃないか、
なんかもう「言葉を作る」って、ちょっとした神の仕事。
既存の言葉でどう表現するかも重要だけれど、言葉を作って誰もが踏み入ることができない完全な異国を
作ることも面白そうだなとこの一連で感じました。
バルバラン、マミラピナタパイ、謎の物語を言葉か、映像作品で作れたらいいなと思う。
結局もっと自由でいいって話でした。
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